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自転車事故

相談内容

 Xさん(23歳 男性)は、自転車で会社に通勤するサラリーマンです。ある日、Xさんは職場の同僚と会社帰りに一杯飲み、自転車に乗って帰路につきました。しかし、Xさんは、お酒に酔っていたこともあり、歩道を歩いていたYさん(65歳 女性)にぶつかってしまい、Yさんはその衝撃で道路に腰を打ち、腰の骨を折る大けがをしてしまいました。しかも、Xさんは、飲酒運転が発覚すると会社をクビになってしまうと思い気が動転し、その場から立ち去ってしまいました。
 Xさんはどうなってしまうのでしょうか?


Xさんの法的責任

1 刑事上の責任
 自転車は、道路交通法上、軽車両に当たり(道路交通法第2条11号)、酒気帯び運転をすると、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます(同法第117条の2第1項、同法第65条1項)。
 また、今回は、Yさんに大けがを負わせているため、Xさんはさらに重過失致傷罪(刑法第211条1項後段)に問われ、5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円の罰金が科されます。
 この他に、交通事故を起こしてしまった場合、自転車の運転者には、負傷者の救護義務が課され、警察官等に事故を報告する義務もあります。
 今回のXさんの場合、これらすべてに違反しているため、法律上、最大7年6月以下の懲役が科される可能性があるのです。

2 民事上の責任
 
さらにXさんは、怪我を負わせてしまったYさんに対し、治療費や慰謝料等の損害賠償をしなければなりません。金額は、相手の年齢や職業、怪我の程度や介護が必要となったかなど、様々な事情を考慮しますが、仮にこの事故により、Yさんが寝たきりの状態となってしまった場合、Xさんは数千万円の費用を賠償しなければなりません。
 しかも、自転車の場合、保険が十分に整備されておりませんので、Xさんは一生をかけてYさんに金銭を支払わなくてはいけないのです。

3 その他の責任
 
この他にも、近年、飲酒運転に対する社会的非難が強まっていますので、Xさんは勤務していた会社を解雇されてしまうかもしれません。


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 今回のケースでは、Xさんが事故直後に連絡をしていれば、現場から逃げてしまうと罪が重くなることをアドバイスすることができます。仮に、救護義務を果たしていれば、執行猶予を勝ち取ることも可能です。また、早期にYさんに謝罪し、示談を成立させることで、執行猶予の可能性は高まるでしょう。
 会社側にも、Xさんの反省を伝え、解雇だけは回避することができるかもしれません。



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